スイッチング電源とはどのようなものか

生活

電気製品に使われている電源はどれも同じだと考えている人もいるかもしれません。
しかし、実際にはいくつかの種類があるということです。
家で使われている電気製品には電源が内蔵されていますが、普通に生活しているだけでは目にすることはありません。

スイッチング電源の仕組み

スイッチング電源とはスイッチング素子を利用し、電力の返還や調整を行っている装置のことを言います。
電力の変換や調整を行うことにより、出力を安定させるという仕組みです。
このタイプの製品はACアダプターとは異なり、安定性や信頼性が求められる電源なのです。
スイッチング電源は約50年前に開発された電源であり、月にロケットを打ち上げる際に作られたということです。
ロケットに大きくて重い電源を乗せることは難しかったため、小型で軽量な製品が必要になったのです。
このスイッチング電源は半導体を高速スイッチングすることにより、高周波パルスを作って出力電圧を変換します。
半導体がONになっている時だけ電流が流れるため、電力の消費が少なくて済むことがポイントです。

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スイッチング電源のメリットとデメリット

高速でスイッチングするため、電源自体を小さくできたということも大きなメリットです。
しかし、出力電圧はスイッチング周波数に合わせ、スイッチングノイズが乗ってしまうというデメリットもあります。
これはコンデンサを出力端子に付けるといった対策により、ある程度の対策はできます。
ですが、全てのノイズをカットできるわけではありません。
電源のノイズは装置の誤動作だけでなく、人体にも悪影響を及ぼすと言われています。
そのため各種安全規格や法令の規制を受けており、ほとんどの国では国際規格に準じたEMC規格が制定されているのです。
このタイプの製品のノイズはドロッパー電源の10倍程度の大きさとなっています。
そこで電源を金属板で囲ったり、ノイズフィルターを入れるといった方法でノイズを遮断するということです。
最近ではノイズフィルターの性能がアップしてきたため、スイッチング電源とノイズフィルターの組み合わせで使われることが多いです。

スイッチング電源の種類

一口にスイッチング電源といっても、いろいろな種類のものがあります。
まず出力電圧を一定にするタイプとして、定電圧電源というものがあるのです。
そして、もう一つが出力電流を一定にする定電流電源というタイプです。
LEDやバッテリーなどは定電流電源が必要となるため、需要が増えているということです。
しかし、定電流電源のメーカーは数が少ないですし、カスタム電源を使わないといけないこともあるのです。
また、定電圧電源の過電流保護機能を利用し、簡易的に定電流電源として使うこともあります。
過電流保護は定格電流より電流が多く流れるけれど、電流値はそのままで電圧だけが下がるということです。
電流値が下がって過電流状態で無くなった場合、電圧値も定格電圧に自動で戻ります。
この過電流保護の動作するポイントを変えることにより、定電流電源として使用するという方法です。

形状による分類

スイッチング電源は形状によっていくつかに分類することができます。
ユニット型は箱型の形状をしており、カバーのあるものとないものがあります。
カバーなしの製品は放熱しやすくなりますし、負荷率や電源の寿命が延びることが大きなメリットです。
同じ環境条件なら寿命は2倍という長さになります。
電源の置き方は縦置きが標準の置き方となっています。
他の置き方もできますが、メーカーはこの置き方を基準に設計しているということです。
基板型はカバーが不要なユーザーにおすすめな製品です。
他のタイプより薄いことが大きな特徴であり、装置内に他の制御基板などと並べて使われることが多いです。
ちなみに、基板型はファンがないので基板上の放熱フィンで放熱させますが、放熱フィンの大きさには制限があります。

オンボードは直接基板に搭載するタイプ

寿命もユニット型に比べると短くなっていますが、価格が安いので民生品の装置や機器には向いています。
オンボードは直接基板に搭載するタイプであり、ピンが2列に並んでいるものと1列に並んでいるものがあります。
最近はバッテリー入力が多く、電圧が振れるのでワイド入力電圧の製品が主流となってきています。
寿命部品を使用していないということも大きな特徴です。
マルチスロットは出力部に4〜6スロットがあり、希望の電圧電流の出力モジュールを入れて使用するタイプです。
特注電源を標準タイプでも使えるようにした製品であり、注目を集めています。
さまざまな出力電圧が用意されており、モジュール同士の直列接続や並列接続も可能となっているのです。
オプションも豊富で組み合わせによってそれぞれの機種名が登録されています。

まとめ

パワーモジュールは基板上に直接半田付けするタイプの製品です。
放熱はピンとは反対側のアルミ製プレートに放熱フィンを付けるか、金属部分に密着させて放熱させることになります。
こちらは単体だけで使うことができないため、周辺の回路設計が必要です。

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